ドイツの物理学者、ウォルフガング・ファイスト博士の発案によって、1991年にパッシブハウス研究所で確立された省エネ基準です。
「年間の冷暖房負荷」「気密性能」「住宅全体の一次エネルギー消費量」の3つの項目で、一定の基準を満たすことで、認定を受けることができます。
基準値:「冷暖房負荷が各15kwh/㎡以下」
「気密性能として、50paの加圧時の漏気回数が0.6回以下」
「一次エネルギー消費量が、120kwh/㎡以下」
実際の住宅性能において、上記の数値をクリアすることは容易ではありませんが、逆にこの数値がすべてではないということも理解しておく必要があります。
調湿能力の高いセルローズファイバーを断熱材に使用する場合は、気密性能を上げるために必要な気密シートを張らないほうが、体感的に良くなるケースもあります。
こだわるのは「数値」ではなく「体感」。
冬は南の窓からしっかりと太陽の熱を取り込み、夏は北の窓から家の熱気を逃し、計算されたひさしによって、夏の日射を調整する。
調湿性能や蓄熱性能の高い家は、人間にやさしいだけでなく、家にも優しく、壁体内結露を起こさないため、骨組みの耐久性にも優れた家になります。
性能の優れた家を建てるということは、単に建築コストをかけるということではありません。
余分な光熱費を使わず、自然のエネルギーを最大限に利用することで、建築に投じたコストを回収することができます。
本当のエコ住宅とは、ケチくさいものではなく、上質で贅沢なものなのです。